勘倉峰(その山は滑れるかNo.27

個人山行(なんちゃってテレマーク)

【日時】2015118日(日)

【メンバー】YOza1H(悠峰山の会山スキー突撃隊)

【天候】 小雪

【山域】 小国

【地形図】 舟渡

【実録時間】入山(標高155m08:29 −  勘倉峰(標高741.9m11:42    標高690mm付近12:16 <昼の憩い> 13:29    入山 15:06


いつの間にか歳を重ね,元気に山に行くことがいつまでできるかわからない.

人生には締め切りがある.

残り少ない山行を考えると,つい過去に滑った確実な山ばかりに足が向かう.

これでは,いけない.

人生には進歩が必要だ.

久しぶりに,初めての山に突撃だ.

勘倉峰,山形県は小国近くの標高700mちょっとの里山である.

地形図を見ると,山頂近くまで林道が伸びている.

籔が濃くても,最悪林道を歩けば何とかなりそうだ.

林道あるところに杉林あり.

それは仕方がない.

しかし,標高550mくらいから広葉樹の記号となっている.

はたして,ブナの林はあるのであろうか.

 

小国から五味沢方向に車を走らせ,最初の荒川にかかる橋を越えて左折すると,取り付きの入山集落である.

除雪は,地形図の入山の「入」のところまでだ.

新しい雪が10cmくらい積もって,今も降り続いている.

除雪終了地点に駐車すると除雪が入れば,迷惑をかける.

入山まで戻り,お願いすると親切にも,わざわざ自宅の車を移動してくれ,融雪水により雪の無いところに駐車をさせてくれる.

感謝!である.

 

支度を整え,まずは道路を歩く.

歩き始めると,作業服を着たおじさんに,「行方不明になっても探しに行かないぞ.」と言われる.

神楽スキー場外での遭難や,前日も上越の粟立山で遭難事故があったばかりなので仕方がない.

冬の山に入る以上,最低限の装備やスキルは必要だ.

準備もせずに遭難したのでは言い訳できない.

改めて,迷惑をかけないよう,肝に銘じて出撃だ.


【入山集落】

除雪の壁を乗り越え,杉林の中を歩く.

潜っても10cm程度,本日はラッセル無しである.

一旦沢沿いに歩いたが,すぐに籔っぽくなり林道に戻る.

そのまま林道なりに歩く.

ところが,標高230m付近まで来て,どうも越沢川沿いの林道を歩いているような気がして,標高180m付近まで戻る.

しかし,GPSで確認すると正しいルートであることが分かり,がっかりである.

気を取り直して登り返す.

 

新しいポモカのシール(ガイドプロ)は能書きどおり良く滑る.

糊の強さも適当のようだ.

G3にしようか迷ったが,どうやら正解のようだ.

 

当初は標高200mくらいのところから林道をショートカットしようと思っていたが,これ以上迷惑をかけられないので,そのまま無難に林道を歩く.


【デブリ斜面】

大回りして林道なりに行くが,標高240m付近から道型があやしくなる.

ルートを確かめ,大きく南側に方向を変えて歩くが,上からのデブリで道型が消えていることにすぐ気が付く.

ここは,素早く通過する.

帰りは,当然ショートカットが必要だ.

【林道をショートカット:標高330m付近】

標高220m付近で,本日初めてのショートカットである.

一部,雪が飛ばされてクラストしているところがあったり,雪に隠されているが割れているところもあって,少々気を使う.

この先,少しだけ林道を歩くが,すぐに長谷峰下の斜面をトラバース気味に林道から離れて登る.

ようやく山登りの気分である.

 

標高500m付近で,再び林道を歩くが徐々に道型がはっきりしなくなる.

登り始めから,雪は降り続いている.

幸い風はほとんどない.


【標高610m付近】

標高600m付近を超えるあたりから,地形図の通り複雑な地形となる.

想像していた籔山どころか,この標高で籔らしいところはない.

林道の道型もほとんど分からなくなる.

どこでも歩き放題である.

微妙な起伏を乗り越え高みを目指す.

帰りのルートを考え,できるだけ登り返しが無いように歩く.

次第に風が強くなってくる.

ラッセル無しで,汗も出ない.

フードもかぶりっぱなしだ.



【目指す勘倉峰方向:標高640m付近から】


先を見ると,なんとなくブナ林のようだ.

勘倉峰だろうか.

緩やかな切り開きから,最後の登りだ.

雪も軽くて滑りやすそうだ.

相変わらず雪が降っている.


【標高670m付近のブナ:3D

途中,バランスのいいブナがあったので,写真に収める.

相変わらず,複雑な地形が続く.

昼の憩いをどこにしようか,風が当たらないところを探しながら登るが,なかなかいいところが無い.


【標高690m付近の小尾根ピーク】

勘倉峰と思って登ったところは,確認するとなんでもない手前の小尾根ピークである.

気を取り直して北に向きを変える.

勘倉峰へは一旦下って登り返す.

風はいよいよ強くなる.


【勘倉峰ピーク】



【山頂】

雪庇のできた尾根をまわりこむとようやく山頂だ.

斜面を飛ばされる雪で視界が無い.

長居は無用だ.

すぐにシールをはがし,昼の憩い場所に転戦である.

 

小尾根ピーク下に比較的風が当たらない窪地を見つけて,そこにテントを張り,昼の憩いに突入する.

 

昼の憩いも終わり,撤収する.

いつの間にか風も弱まり,雪も小雪となっている.

時折,太陽も遠慮がちに顔をのぞかせている.

 

いよいよ,帰りの滑りだ.

登りのトレースはほとんど消えている.

それでも,時折現れるトレースを探しながら,慎重に滑る.

が,雪がいい.

実にいい.

今シーズン最高に楽しい雪だ.


【昼の憩い:690m付近】

特に標高で650mくらいまでの林の中の滑りは最高だ.

あと言う間に切り開きに出る.

傾斜の緩い切り開きでも,それなりに滑る.

地形は複雑である.

慎重に滑らなければいけない.

でも,滑りは楽しい.


【標高640m付近】

雪も快適に滑る雪だ.

緩くても良く滑る.

トレースは見当たらない.

慎重に滑ろう.

でも,切り開きはどこでも滑り放題である.

 

ふと気付くと,足元が記憶にない急斜面になっている.

いつの間にか南寄りに滑りすぎた.

戻ろうとしたとき,雪に隠されたシュルンドにはまり込む.

と,同時に目の前の雪が5mくらいに渡って雪崩れる.

端に寄りすぎたようだ.

慎重にシュルンドから這い上がり,一息つく.


【登り返し:標高570m付近】

本来のルートに戻るため,なるべく緩くトレースを付けながら,滑った跡を横切って登り返す.

本日2回目のミスリードである.


【登りルートに復帰】

 

杉の尾根を越えて,標高580m付近で登りルートに合流する.

何となく登りトレースも確認できる.

雪はやみ,風もほとんど感じない.

青空も時折見える.


【標高540m付近】

ここからは,林道をショートカットして滑る.

相変わらず雪が良く,快適に滑ることができる.

さすがに東北の雪だ.

越後もち雪とは違う.



【林道のショートカット:410m付近】



【林道ショートカット:標高280m付近】


登りで最初にショートカットした急斜面も,滑れば実に楽しい.

ショートカットを続け,標高210mで林道に出る.


【登りトレース:標高170m付近】

5cmくらいさらさらの雪が積もっている.

トレースなりに滑り,杉林を抜ければ除雪終了地点だ.


【除雪終了地点:標高155m付近】


登るときには道路からシールのまま登ったが,その部分が除雪車で削られて1m以上の段差ができている.

面倒なので,ここはそのまま飛び降りる.

良い子はまねをしないようにしよう.

途中何度かミスリードしたが,何とか山頂に立てたし,久しぶりに新規開拓登山で,充実感を味わうことができた.

気持ちよく駐車をさせてくれた村人に感謝!

無事下山しました.


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