平標山(火打峠〜二居周遊コース)

個人山行 sue

【日時】 201527

【天候】 晴れ

【山域】 谷川連峰

【地形図】 三国峠、土樽

【時間記録】 火打峠07:50 平標山頂10:50 西ゼン1700m付近11:30 センノ沢源頭ピーク12:45 地王堂川13:3514:20 二居バス停14:45


 天気予報によると冬型がゆるんで高気圧が日本付近に移動するという。山スキー日和だ。南の方が天気の回復が早そうなので平標山にする。 湯沢ICを出てすぐのコンビニによると、駐車場は満杯、レジは長蛇の列で、スキーシーズン休日のいつもの光景だった。

 登山口に着くといつも車を止める火打峠の国道脇の駐車帯が工事中だった。さてどこに車を置こうかと考える間もなく、旧三国小学校の前が除雪されているのを見つける。すでに10台ほどの車が泊まっていた。バックカントリーに冷ややかな目を向ける人もいる昨今、実にありがたいことだ。天気がいいこともあるが、厳冬期でも多くの登山者が来ている。ボーダーも多い。

 別荘地を過ぎると道路除雪は終わる。締まった雪の上に2-30cmの新雪があるが、しっかりとラッセルされておりありがたく使わせていただく。

 ヤカイ沢に入ると正面に平標山の稜線が屏風のように広がっている。上空に少し薄雲が広がっているが、稜線にはガスがかかっていない。ヤカイ沢上部には少し雪割れが見えるが、まだ雪崩は発生していない。

ヤカイ沢を真っすぐに山頂へ向かう人影が見えたが、自分はいつものように右側の尾根を行く。稜線上はクラストしていたがスキーアイゼンを付けるほどでもなかった。気が付くとヤカイ沢の一番左側の斜面にシュプールが見える。真っすぐ山頂に向かった人のものだろう。



 頂上に着くとヤカイ沢の方から強烈な風が吹き上げてきた。高気圧は足早に本州東方に移動してしまったようだ。360°の展望が広がり、南の方向には少し霞んではいるが、浅間山の向こうに八ヶ岳も見える。しかし、とてものんびりできるような状況ではない。 



シールを付けたまま一ノ肩のコルに降り、さらに風下となる西ゼン側の窪地まで降りる。

先行者が一人、西ゼンを滑り降りていく。自分もここでシールを外し、正面に巻機山を見て西ゼン源頭の広大な斜面に飛び込む。ここは無雪期には一面のササ原となる所だ。標高1700m付近まで降りると沢幅が少し狭まってくる。先行者が下の方から登り返してきたので、この辺で引き返すことにする。核心部となる第2スラブはもう少し先だ。

足腰立たなくなる前に仙ノ倉谷本流まで降りたいものだが、それにはもっと雪が締まってからでないと土樽までのラッセルが大変だ。



 稜線上は引き続き強風が吹いているので、稜線には出ずに一ノ肩の北側斜面をまく。多くの登山者は山頂からは再びヤカイ沢に戻ると思うが、周囲を見渡すとこの辺りにもポツリポツリと人影が見える。


 センノ沢源頭部は低木が雪上に出ているものの真っ白な斜面だ。源頭部から沢の中の状況が見えないので、センノ沢とツガノ沢の間の尾根を降りる。快適な斜面は間もなく終わり立木が濃くなってくる。ツガノ沢側はその名のとおりコメツガが多い。

センノ沢左岸側の斜面は主にダケカンバと思われるが、こちらの斜面の方がスキーにはいいかもしれない。




 尾根からセンノ沢に出ると登りのトレースがあった。誰も来ていないだろうと思っていたので少々びっくりした。

センノ沢の傾斜は緩いが、スキーがよく走る雪だったので、すぐに地王堂川に着いた。上ではゆっくりできなかったので、ここでバス待ちも兼ねて大休止とする。下の方は風もなく、厳冬期とは思えないほど日差しも暖かかった。

二居集落からセンノ沢の源頭部が見える。右端がセンノ沢源頭部、左隣がツガノ沢、さらに左に少し離れてユウガイヒト沢。



 バスを待っていると、センノ沢のトレースの主が声をかけてきた。ユウガイヒト沢を降りてきて、自分たちとは別のトレースを見つけて驚いたようだ。人気の平標山は真冬でもどこにも人がいる。