山毛欅潰山

会山行(なんちゃってテレマーク,山スキー,わかん)

【日時】201528日(日)

【メンバー】会長(西洋わかん),Y夫妻(わかん),T1(山スキー),Oza1(山スキー),W(西洋わかん),T2(テレマーク),担当:M(なんちゃってテレマーク)

【天候】 曇り

【山域】 飯豊周辺

【地形図】 岩倉

【実録時間】 岩倉(標高425m)09:54 − 第1橋(標高465m) 10:15    山頂(標高898m) 11:2913:25 − 第1橋 14:25 − 岩倉 14:32


会山行は,先週の偵察突撃の通り大花山の予定だったが,その偵察により駐車場所に問題があることが明らかとなった.

雪の壁が連なり,複数台の車を置くような場所が見当たらないのである.

2週続けて,顰蹙をかうことは心苦しい.

 

そこで,手頃で確実に登られる山として,急きょ突撃先を山毛欅潰山(ブナツブレヤマ)に変更する.

この山は滑られそうな山を地形図から探していて見つけた.

山名が印象的である.

「ブナツブレヤマ」,難読である.

ブナに覆い潰された山とも読める.

これは,滑らなければならない.

16年前,岩倉から中津川峠に至る林道の途中から初めて登った.

記録を見ると,すっかり忘れていたが中津川峠を挟んで反対側の705m標高点ピークにもスキーを伸ばしていた.

 

山毛欅潰山は,実際に登ってみると,名前の印象とは反対に山頂近くまで杉が植林してあって少々期待外れではある.

しかし,広い山頂の登ってきた尾根の反対側にはブナの林が広がっている.

そこで,岩倉からではなく,五輪原から滝ノ沢を詰めて反対側から山頂に至るというルートをこっそりと温めていた.

登り返しがいくつかあるが,急斜面は無い.

地形図では,ほとんど広葉樹マークである.

ゆったりとブナの林を歩いて山頂を目指す.

会山行にぴったりである.

東京にオリンピックがやってくることも決まった.

この機会を逃してはならない.

五輪原から突撃である.

登れなかったらごめんなさい.

 

五輪原の民家の玄関前に快く車2台を駐車させてもらう.

支度をして,まずは滝ノ沢を目指す.

田んぼの雪原を歩いて,沢に入る.

林道が続いている.

右岸側を行くか左岸側を行くか様子を見ながら,とりあえず林道の道型なりに進む.

前方に地形図には無い大きな砂防ダムが現れる.

いやな予感がする.

左岸側は急な尾根が迫っている.

右岸側から砂防ダムを巻こうと登ると,支尾根が深く切れ込み,大きな段差が続いている.

相当上まで登らないと,滝ノ沢に戻ることができない.

帰りはなお大変である.

仕方なく左岸側の様子を見るために沢を渡ることができるところまで引き返す.

その左岸側もあまりよくない.

会長はそのまま上まで登ろうというが,違う尾根に行ってしまう.

まわれ右である.

 

がっくりしながら再び車に分乗して,いつもの登山口である岩倉に向かう.

最後の民家の手前にある作業小屋にちょうど関係者約1名がいて,広く除雪してある場所に再び快く駐車をさせてもらう.

 

すでに準備運動は終えている.

再び歩き始める頃には,もう10時をまわっている.

このあたりの雪の壁はゆうに2mを超えている.

最後の民家のところで一旦スキー板を外して雪の壁を乗り越える.

いつもより雪が多い.



【岩倉の駐車場所から】

初めは平坦な中津川峠へと向かう林道を歩く.

曇り空ではあるが,天気は崩れそうもない.

気温もそれほど低くない.

風もなさそうだ.

 


【小川入沢にかかる第1の橋】


大きな砂防ダムを左に見て更に林道を進む.

小川入沢にかかる最初の橋を超えると,取り付きの沢に出る.

雪が多くて,注意していないと橋に気が付かないくらいだ.

ここで,林道を離れて山頂に続く沢に進む.

 


【林道を離れるところ】


その沢床をわずかに歩いて,すぐに左岸側の尾根に上がる.

明瞭な尾根に上がると,初めは緩やかな斜面を歩く.

標高550m付近で一旦下るような開けたところに出る.

これまで,スキーでは急斜面を避けて尾根下の開けた杉林をトラバース気味に登っていたが,本日はわかん隊がいるので尾根なりに登る.

雪はもなかっぽく表面が少々固くなっている.

締まってはいるが,がちがちの雪ではないので,これから続く急斜面でも緊張することなくシールで快適に登ることができる.

 


【最初の急斜面】


この尾根には登るのに邪魔な風による段差や雪庇がほとんどない.

思っていたよりも登りやすい尾根だ.

スキーでも杉林のトラバースよりも雪の状態によってはこちらが正解だ.


【標高650m付近】

45分くらい歩き,標高650m付近の一旦傾斜が緩くなるところで休憩する.

休みなしに歩かされたと言われないようにしよう.

山頂に向かって左側にある標高711m標高点ピークが顕著だ.

山頂付近の緩やかな尾根もすぐそこに見える.

山頂はもうすぐである.

 

休憩を終え,再び急傾斜に取り付く.

スキー隊は尾根の向かって右側の斜面を大きく使いながら高度を稼ぐ.

わかん隊はまっすぐに登って高度を稼ぐ.



【標高730m付近】

標高711m標高点ピークが下に見えるようになると再び傾斜が緩む.

そのピークの右側奥には鍋越山から地蔵岳,飯豊本山が見えるはずだが,本日は残念ながら雲の中だ.

ここで息を整え,最後の急傾斜に備える.

 


711m標高点ピークを見降ろす.】


この付近から雪が変わり,少しだけ粉っぽくなる.

標高800m付近からが最後の急登だ.

適当にジグを切りながら登る.

写真を取っているうちにも会長はすたこらまっすぐに登り続ける.



【最後の急登:標高820m付近】

息も絶え絶え,急登を乗り越すと,ようやく山頂に続く緩やかな尾根に出る.

右手には印象的なピークを持つ朝日連峰の大朝日岳が白く遠くに見える.


【山頂へ至る緩やかな尾根】

ここから上にはブナの林が広がる.

ようやく山毛欅潰山である.

気持ちのいい尾根だ.

登った甲斐がある.

 

山頂には顕著なピークはない.

何もない平らな山頂だ.

こういう,穏やかな山が好きだ.



山頂

山頂を踏んで,少し下がったところにテントフライを入念にセットして昼の憩いに突入する.

8人でも余裕の広さだ.

ストーブを点火すると中はぽかぽかだ.


快適テント:3D

昼の憩いを終え,いよいよ下山だ.

わずかに山頂へ登り返し,スキー突撃隊は滑りだす.

山頂付近の傾斜は緩いが,スキーは良く滑り快適だ.


【青服のスキー隊員の写真左側のこんもりが気象観測小屋?跡

緩やかな尾根を行くと,登りでは気付かなかったがコンクリート製の気象観測小屋?跡のところの雪がこんもりと出っ張っている.


飯豊・鍋越山方向

相変わらず飯豊方面は雲の中で見えない.

標高840m付近から傾斜が急になる.

登った尾根の左側を慎重に滑る.

少々固い斜面もあるが,角度があって楽しめる.

あまり左側を滑ると,違う尾根に行ってしまうので,途中から登った尾根に向かう.

 

そのまま登った尾根を滑ろうと思っていたが,雪の状態が滑るには少々難しいので,杉が点在する登った尾根と711m標高点のある尾根の間の切り開き斜面を滑ることにする.

 


山頂南側斜面

ここは山頂から小川入沢まで続く写真の通り開けた斜面が続く.

障害物はない.

雪が良ければパラダイスである.

ところが,本日の雪はなかなかに強面である.

登った尾根の雪よりも,むしろ手強い.

大回りしながらなんとか滑る.

この雪では,そのまま尾根なりに滑ったほうが良かったようだ.

 


【登ってきた尾根】


その斜面から登った尾根が見える.

その尾根をわかん隊が下っていく.

会長の声がず〜っと聞こえる.

どうやら無線機は必要ないようだ.

 


【沢床を行く.】


標高600m付近から沢床を滑る.

私はその上の尾根側をトラバース気味に滑って行く.

上から見ていると,沢床もそれなりに楽しめそうなので,後を追って沢床に滑りこむ.

この雪の量なので,流れが出ているところは1か所だけで,トラバースで滑るよりも楽しめる.



【第1の橋付近の林道】

沢床から林道に出れば,後は登りに付けたトレースを忠実に滑って行くだけだ.

わずかに登り返すようなところもあるが,大したことは無い.

最後の民家のところの段差も帰りはスキーのまま飛び降りる.

無事下山である.

 

当初計画していたルートは残念ながら登ることはできなかった.

登り直したルートも終始曇り空で,雲高も低く残念ながら飯豊の山並みを望むことはできなかった.

それでも一瞬ではあるが朝日連峰が望め,何より全員で山頂に立つことができた.

担当としては,それだけでも満足の山なのであった.

 

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