石見堂岳
個人山行(なんちゃってテレマーク)
【日時】2015年5月3日(日)
【メンバー】T(山スキー),M(7tm,カルフガイド)
【天候】 快晴/晴れ
【山域】 朝日連峰
【地形図】 赤見堂岳
【実録時間】 国道112号線(大声橋先標高570m)8:10 − 786m標高点8:43 − 868m標高点9:09 − 980m標高点トラバース9:44 − 1011m標高点10:11 − 石見堂岳11:15 <昼の憩い>
13:09 − 1011m標高点14:00 − 980m標高点トラバース14:18 − 868m標高点14:38 − 786m標高点15:09 − 国道112号線15:20
黄金週間恒例のテント泊突撃作戦は石見堂岳・赤見堂岳であった.
今年は3・4日で突撃予定であった.
仕事の関係で,4日新潟を留守にできなくなった.
やむなく,急きょ日帰りで赤見堂岳を目指すこととなった.
いつもの駐車帯に車を置いて道路を横断してスキーをセットする.
【雪崩止め柵先の取り付き】
このルートは4度目だ.
雪の量は今回が最も少ない.
雪も木の枝や新芽の萼片だろうか大量に雪面に落ちている.
【標高630m付近】
いつもは,登り始めてすぐに尾根の南側にできた雪堤に乗るが,そんなものはない.
沢状のところを登る.
標高700m付近で,ようやく雪堤が現れる.
なんとかそこに上がると786m標高点は近い.
【786m標高点手前の危うい登り:3D】
その786m標高点に至るわずか手前で雪が切れそうになっている.
かろうじて根開きの一部がつながっている.
慎重にそこを乗り越える.
写真など撮っている場合ではない.
【786m標高点】
786m標高点から北に向きを変える.
ここまで上がれば雪は心配ないだろうと思っていたが,そうは甘くなかった.
【標高820m付近】
本日も雪がつながっていそうなところを探しながら登ることとなる.
それでも標高800m付近でスキーを外し,板を肩に担がなければならない.
ただ,踏み跡が付いているので,藪こぎなしである.
ありがたい.
標高差20mほど担いで,再びスキーを履いて登る.
ブナの新緑と残雪のコントラストが素晴らしい.
ハラショー!
【868m標高点付近のブナ林】
868m標高点付近で休憩する.
月山が良く見えるが,月山もいつもより黒々しているようだ.
牛首の上の雪の付きも良くないように見える.
【月山】
萌黄色の光のシャワーを浴びる.
癒される.
苦労して登った甲斐がある.
誇るべき日本の景観がここにある.
誇るべき景観はともかく休んでいるとぶよが寄ってくる.
今頃からぶよがいただろうか.
このところ雪の時期にしか山に行っていないので,無防備である.
そういえば,このルートでブナの新緑を見た記憶がない.
季節が早く回っているようだ.
【緑のシャワー】
ぶよに追われるように再び歩き出す.
868m標高点には寄らず,その手前から90度南西に向きを変えて石見堂岳を目指す.
この尾根も雪がつながっていそうなところを考えながら登らなければならない.
雪はつながっていても枝が邪魔をしているところもある.
どこでも登り放題とはならない.
980m標高点のトラバースは,今までで一番歩きにくい.
雪が固く,シールが時々ずれる.
失敗すると,相当下まで落ちそうである.
さらに雪の下から出ている枝が邪魔をする.
それでも,なんとかトラバースをやり過ごすと,一旦標高差で50mほどシールのまま滑り下りる.
その先が1011m標高点に上がる本コースで最も急な斜面である.
急ではあるが,雪は腐っていて気を使うことなく登ることができる.
傾斜が緩むと灌木帯となり,籔っぽくなる.
邪魔となる枝を避けながらようやく開けた1011m標高点ピークに至る.
赤見堂岳が頂上だけ見える.
石見堂岳も段々斜面に続いて見えるが,山頂は見えていない.
【赤見堂岳】
【石見堂岳】
ここからも好きな斜面を上に向かって登るというわけにはいかない.
雪が少ない.
灌木が邪魔をする.
【月山湖の噴水:標高1075m付近から】
できるだけ開けたところを探しながら登っていると月山湖の噴水が偶然見える.
いくつかの段々斜面を一つひとつクリアしながら登っていくと頂上台地に出る灌木帯で雪が切れている.
距離で10m程度であるがなかなかに手強い籔である.
スキーを手に持ってなんとかクリアする.
藪の中にはひっそりとカタクリが咲いていて少しは癒される.
【石見堂岳山頂】
石見堂岳山頂付近は写真のとおり籔で守られていて小屋と見間違う岩も見えない.
赤見堂岳ははるかに遠い.
頂上に寄っている暇はない.
灌木帯を抜け,標高1270m付近まで下ると雪が切れ,本格的な籔が続いている.
時間も12時近い.
本日はここまでである.
【赤見堂岳】
【障子ケ岳の奥に三方境と寒江山】
赤見堂岳が立派に見える.
以東岳から大朝日岳の朝日連峰主稜線が見える.
少々ガスっぽいが展望を楽しむ.
昼の憩いと昼寝を終え,帰るとしよう.
シールを外したスキーで石見堂岳山頂までとりあえず登り返す.
滑らない.
まるでシールを付けているように滑らない.
前進はシールの方が滑るような気がする.
石見堂岳の籔を越えてスキーのソールを見ると,真黒である.
タール状の粘着物がこびりついている.
これでは滑るわけがない.
それなりの角度がないと下りも歩かないといけない.
赤見堂岳に行っている場合ではなかった.
本日中の下山は無理であった.
【標高1030m付近:3D】
登り返しもシールほどではないが,後ずさりしない.
うろこ板ではないT隊員の普通のソールのスキーでも難なく登り返しができる.
【1011m標高点ピーク】
1011m標高点ピークの登り返しどころか980m標高点ピークへの登り返しも楽々である.
滑りは全く駄目である.
角度があれば,なんとか下方向に滑るが突然止まりそうになったりする上,シールで滑っているように曲がりにくい.
楽しめない.
【980m標高点ピーク】
980mピークのトラバース先で,持っていたシートワックスで粘着物を落とそうとしたが,すぐにあきらめた.
そんなもので落とせるようなものではない.
気を取り直して歩き下る.
【868m標高点付近:3D】
【860m付近】
それでもブナの林を楽しみながら下っていく.
途中の籔で板を外したついでに786m標高点までザックにスキーを付けてつぼ足で下る.
786m標高点から下は,それなりの斜度があるので滑って下る.
雪が締まっているせいか,落ちている大量の枝や枯れ葉などで粘着物が落ちたのかちょっとは滑るようになる.
スキーが滑ればあっという間に国道に出る.
【駐車帯】
【ソールの状況:いつの間にかだいぶきれいになった.】
籔が無かったとしても軟弱山スキー突撃隊には赤見堂岳日帰りはきつい.
第一もったいない.
ここはやはりテント泊でまったりと楽しむ山である.