守門黒姫(通称:小黒姫)
個人山行(なんちゃってテレマーク)
【日時】2015年5月5日(火)
【メンバー】T(山スキー),M(7tm,カルフガイド)
【天候】 曇り/快晴
【山域】 守門
【地形図】 守門岳
【実録時間】 破間川橋(標高470m)7:50 − 林道終点8:18 − 標高680m
8:54 − 831m標高点脇9:23 − 標高1050m付近10:00 − 標高1200m付近10:40 − 小黒姫(標高約1445m)11:10
− 標高1195m付近11:26 <昼の憩い> 12:27 − 下黒姫沢(標高670m付近)12:46 − 下黒姫沢(標高565m付近)13:04
− 林道終点(標高約580m)13:08 − 破間川橋13:24
GW恒例のテント泊突撃作戦は仕事の都合上取りやめた.
そこで黄金週間分割日帰り突撃作戦に変更する.
初めに石見堂岳(本当は赤見堂岳)日帰り作戦を決行し,見事に返り討ちに遭った.
ゴールデンウイーク分割作戦後半ミッションは守門黒姫である.
天気占いでは,朝のうち雨が残るところがあっても次第に晴れるとのこと.
予定通り決行である.
早朝車を走らせると雪が少ない.
道中,道路脇はもちろん守門岳を見ても黒々としていて,いつもより雪が少ないように見える.
守門黒姫に雪は残っているだろうか.
なにより下黒姫沢が心配である.
沢床を詰めていくのである.
過去にも右岸,左岸を行ったり来たり高巻いたりしながら苦労したことが思い起こされる.
スノーブリッジが抜けて暗く冷たい水流に飲み込まれたくない.
籔も漕ぎたくない.
予定よりも早くいつもの駐車場所に到着する.
橋手前の山小屋風の建物のところに車が4台ほどが停まっていて,登山の準備をしている.
スキー登山者もいるようだ.
さすがに大型連休である.
今日は我々以外にも登山パーティーがいるようだ.
いつもは駐車場所から破間川に架かる橋までスキーでいくが,雪が切れている.
失敗して破間川の藻屑になりたくない.
ここは旧道から新しい橋の下をくぐっていつもの橋まで遠回りする.
橋の上の雪はすっかり消えている.
その橋を渡ったところでスキーをセットする.
どうやら林道には雪が付いているようだ.
【歩き始めの林道】
雪はタールやブナの芽鱗(がりん)で汚れているが,十分の量がある.
一安心である.
ここでもブナの新緑が目にまぶしい.
【タモ沢からの雪崩?跡】
タモ沢下の平地に出ると,大量のなぎ倒されたブナやスギの木が散乱している.
破断面を見ると新しいようだ.
雪崩としか思えないが,デブリが無い.
新雪雪崩とも思えない.
何があったのだろうか.
【下黒姫沢:標高565m付近】
林道終点から下黒姫沢に一旦下る.
雪は割れているが全く問題ない.
【下黒姫沢:標高640m付近】
標高680m付近で下黒姫沢から離れて左岸側の尾根に取り付く.
歩き始めは曇っていて気温も石見堂岳に比べて涼しかったが,次第に自分の影が雪面にできるようになる.
ここで日焼け止めクリームを顔面と両腕にまぶす.
【標高775m付近】
ブナの新緑はきれいであるが,雪面に落ちた芽鱗と果穂?の量が半端ではない.
茶色の絨毯の上を歩いているようだ.
シールではあまりこんなところを歩きたくないが,どこもかしこも茶色である.
遠目には新緑との対比で綺麗ではある.
【夥しいブナの芽鱗と果穂?】
なるべく白っぽいところを選びながら登るが,きりがない.
標高875mの先から傾斜が強くなる.
雪面は茶色だが,シールは良く効いて登りすくはある.
【標高875m付近】
【標高960m付近】
900mからの急傾斜はいつもと同じに右手の尾根に途中から取り付き,適当にジグを切って高度を稼ぐ.
ブナの新緑が目にしみる.
汗も目にしみる.
【燧ケ岳】
途中から尾瀬の燧ケ岳が遠くにうっすらと見えている.
博士山からよりも近くに見える気がする.
【標高1050m付近】
標高1050mの台地に上がるとブナもまばらとなって雪も白くなる.
空もすっかり青くなる.
暑い!
【小黒姫】
軟弱突撃隊として当然本日は小黒姫までである.
標高1200m付近にザック本体(オスプレイの山スキー用ザックはベルトを外すと小型ザックとなって便利)をデポし,水などだけ持ってピークを目指す.
写真正面を直登しようとしたが,すぐにいつものように上写真右のブッシュのある鞍部状の尾根に上がってから山頂に至る.
【袴腰】
【烏帽子山】
【川内の山々(中央右は矢筈岳)】
【浅草岳】
【毛猛山塊(奥のとんがりは荒沢岳)】
【越後駒が岳】
展望を楽しんでザックデポ地に戻る.
傾斜があるので十分滑る.
縦溝はあるが石見堂岳と違って少しは滑る.
【滑降ルート(正面中央)】
ザックデポ地に戻って昼の憩いである.
木陰でなごむ.
風もなく温かくなごむ.
春はこれである.
おまけにぶよもいない!
【なごみ場】
帰りは登りと違って1200m鞍部へブナ林を滑る.
まだまだ滑る.
楽しめる.
石見堂岳とは違う.
【1200m鞍部へブナ林を滑る.】
1200m鞍部から1050m台地に滑りこむが,何となく滑らない.
やがて,なんとなくどころか確実に滑らない.
しまいにはノルディック走法で漕ぎ下る.
しかし,すぐに急斜面となってノルディック走法から解放される.
しばらくは傾斜があるので何とか滑る.
【標高875m付近から】
意外なことに芽鱗で茶色となったところも何とか滑る.
それでも,できるだけ白っぽいところを滑る.
思いのほか苦労することなく下黒姫沢に出る.
【標高635m付近】
ここはもともと傾斜が無いのでたいして滑らない.
あきらめの気分で漕ぎ下る.
【標高590m付近】
【標高560m付近から林道に戻る.】
標高560m付近で下黒姫沢から林道に登り返す.
角度はそれなりにあるが,ここは気合でスキーのまま登り返す.
シールが付いているかのように登ることができる.
嬉しいような,嬉しくないような.
【破間川に架かる橋】
滑らない林道をなんとかすべり,橋に出てスキーを外すとソールはまっ黒けである.
これでは滑らない.
ウロコ板はこのタールを落とすのに一苦労だ.
【駐車場所から望む小黒姫】
車に戻ると小黒姫が白く見える.
心配したが雪は十分あった.
花は越後の雪椿も雪の下だった.
下黒姫沢は,しばらく賞味期限切れにはならないようだ.
5月連休というのに結局本日も我々のほかには誰もいなかった.
人気ルートなのに嬉しいような寂しいような.
朝のパーティーは浅草岳に行ったのだろうか.
分割日帰り作戦は両日とも天気に恵まれ,思いのほかブナの新緑も楽しめた.
しみじみと静かな山に感謝.
なお,浅草山荘の風呂も我々だけであった.
いいのだろうか.