博士山 P1444m峰(その山は滑れるか.N0.42)
合同山行(テレマーク,山スキー)
【日時】2017年2月5日(日)
【メンバー】M(テレマーク)会長(山スキー)
Ng山岳会:N口,Yz,Dt(山スキー)
【天候】 晴れ>小雪>小雨
【山域】 会津
【地形図】 博士山
【実録時間】 奈良布(標高760m)8:59 − 尾根取付き(標高850m)9:22
− P1016m
9:57 − P1156m 10:51
− P1444m <昼の憩い> 12:01〜13:26
− 黄金沢林道(標高880m)14:30
− 奈良布14:42
会山行は,会長と私の二人だけだったので,このところの陽気による雪の状態を鑑み守門山系P1099m峰から博士山P1444m峰に急きょ変更し,Ng山岳会山スキー部隊三名との合同山行となった.
P1444m峰に至るこの尾根は,まだ足を踏み入れていない.
リハビリ登山3回目にして新規開拓である.
【P1016m】
まずは,正面に見えるP1016mを目指す.
遠目には急に思えるが,とりあえずそこを目指す.
空には青空が広がり,雪面の結晶がキラキラ光ってまぶしい.
2月厳冬期というのにジャケットなしでちょうどいい.
【尾根に取り付く】
林道を20分以上歩いて尾根に取り付く.
Ng山岳会の20代精鋭が道を切り開く.
たのもしい.
わが会では50代では若手である.
うらやましい.
【取り付きの小尾根:標高950m付近】
小尾根状となったところを適当に登る.
ジャケットなしで汗が出る.
標高980m付近ではっきりとした尾根に出,1016m標高点に上がる.
上がったが,その先には相当なる下り坂が待っている.
地図では分からないが,標高差で20m以上はあるだろう.
国土地理院の担当者様,修正が必要です.
帰りの登り返しは即却下,黄金沢の林道に滑り降りることにする.
【標高1060m付近】
シールのまま下り,広く沢状となった斜面を登る.
帰りの滑りが楽しみな斜面だ.
右手の尾根には雪庇ができている.
標高1080m付近の雪庇の弱点で,その尾根に上がる.
【標高1080m付近】
その尾根に上がると,スタートした奈良布が望める.
もう急なところはない.
余裕である.
のんびりとした尾根歩きとなる,…ことはなかった.
風による段差がいたる所にできていて,ボケ頭を駆使してルート取りをする.
【尾根の様子:1100m付近】
1156m標高点は南側を巻く.
わずかに下るので,帰りの登り返しを考えてルートを取る.
ここで,右奥に王博士,左奥に緩やかな広い尾根に続くP1444m峰がようやく望める.
遠い….
【左奥がP1444m,右奥が王博士:P1156m付近から】
【P1156mを少し進んだところ,奥のピークがP1156m】
この先は尾根が広がり,東北の山となる.
ところどころ赤テープを付ける.
しばらくはカラマツなどの林を歩く.
風による段差は相変わらずだ.
尾根なりに歩きやすいところを探しながら登る.
ブナが少しずつ目立つようになる.
やっぱり東北である.
右手に見える王博士の高さに段々と近づく.
【標高1360m付近,奥は王博士】
標高1400m付近で緩い傾斜がさらに緩くなって開けた斜面となり,1444m標高点ピークが顕著となる.あと一息である.
【奥の中央に浅草岳,その右に守門岳】
【中央に粟ケ岳】
あと一息を何とか吸い込んで山頂に至る.
P1444m峰山頂からは東は磐梯山,二岐岳,西には尾瀬の燧ケ岳,会津駒ケ岳,北西には浅草岳や守門岳,北には意外に白く立派に見える粟ケ岳が望める.
風も出てきたので,素早くフライを張って悠峰山の会,Ng山岳会合同昼の憩いに突入する.
フライの中で,しばらくなごめば下山が待っている.
支度を整えるころには小雪が舞っている.
いつの間にか,尾瀬のあたりには灰色の乱層雲が低く垂れこめている.
今日の予報は昼から雨である.
下山である.
【P1444m】
風による段差に気を付けながら滑る.
1156m標高点を巻くところまでは雪も良く,快適である.
【P1156mを巻く】
1156m標高点から先の尾根は,左側に雪庇ができているし,風による段差が滑りにくく,修行僧となる.
【標高1060m付近で尾根を離れ,黄金沢林道に】
予定通り1016m標高点には登り返さず,標高1060m付近から尾根を外れて,登りに楽しみにしていた大きく開けた斜面に滑り込んで,黄金沢の林道に出ることにする.
滑り込んだが,転び込んだといったほうがより正確である.
小雪はいつの間にか小雨っぽくなっていて,会津の粉雪が越後の餅雪になっている.
尾根を一つ乗り越し,最後の杉林まで転がり落ちる.
小沢状となったところまで来ると,その先がもう林道である.
【小沢を滑る】
【林道を戻る】
登りのトレースに合流し,推進滑降で奈良布に戻る.
大岐沢から1476m標高点ピークに登ると,右手に見えてくる1444m標高点ピークに何とか立つことができた.
何度も転倒を繰り返し,転げ下った.
そこで一つ発見したことがある.
鎖骨骨折によるプレートを抜いて,すこぶるすっきりしたが,それでも時折疼痛を感じることもあった.
ところが,転倒で肩が自然にマッサージされたのか,このレポートを書いている時まで肩の違和感をすっかり忘れていた.
どうやらスキーによる転倒が鎖骨骨折のリハビリになるらしい.
これを深く掘り下げ,誰か学会に発表していただきたい.
鎖骨及び肋骨三本を骨折した人は,ぜひテレマーク,山スキーを始めよう.