竜門山(朝日連峰合同保全作業途中敗退)
個人山行
【日時】2017年9月2(土)〜3日(日)
【メンバー】藪スキー突撃隊M,T
【天候】 晴れ/山の上は曇り
【山域】 朝日連峰
【地形図】 朝日岳
【実録時間】
2日(土)日暮沢小屋(標高620m)07:12 −
竜門山(標高1688m)12:04 − 竜門小屋(標高1575m)12:17 <小屋泊>
3日(日)竜門小屋07:06 − 日暮沢小屋10:33
2014年のオツボ峰下部の合同保全作業以来の突撃である.
突撃はしたが,途中敗退である.
本山行記録は失敗レポートである.
失敗の前触れは突撃一週間前にあった.
オツボ峰から久しく登山靴を履いていない.
登山靴は古くなるとソールが剥げることは知っている.
一週間前に確認した.
妻の靴も確認した.
妻の靴を先に確認した.
絵に描いたようにポリウレタン部分がボロボロになっていて,靴を持ち上げるとソールは重力に従って靴からだらしなくぶら下がった.
気を付けないといけないな,と思った.
自分の靴は,硬質の樹脂に直接ビブラムソールが接着されている.
ポリウレタンは使われていないように見える.
妻の靴を見て,ポリウレタンはやっぱり気を付けないといけないな,と思う.
思ったが,自分のはポリウレタンではないし大丈夫だなと,思う.
思ったが,それはただの思い込みであった.
今回は藪スキー隊のT隊員が同行してくれる.
朝の7時に日暮沢小屋に集合し,参加者全員でヤシネットなどの資材を手分けして担ぎ,いつの間にか我々は先頭グループに付いて歩く.
我々は3班で,狐穴小屋に向かう.
今回の作業現場は,狐穴小屋の以東岳側らしい.
以前参加した三方境付近のその後を見るのが楽しみだ.
途中3回ほど休憩してユウフン山からわずかに下り,竜門山に登ろうかというときに,後ろを歩いていたT隊員から声を掛けられる.
その手にはなにか見てはいけないようなものが握られている.
それは,右足の靴の踵部分であった.
竜門山までの登りは特に問題なかった.
小屋までの下りでも多少歩きにくいな,という程度で,まだまだこの時点では,現実の恐ろしさに気づいていなかった.
小屋で昼飯を食べ,1時過ぎに狐穴小屋に向かう支度をしていると,あれれ,踵だけでなくつま先のソールも剥がれて落ちそうになっている.
邪魔なので,剥がしてしまうと靴の裏は,硬質プラスチックの板状のソールとなる.
まあ,何とかなるかなと歩き始めると,ずいぶん歩きにくい.
小屋から500mほど歩くとまだ下に残雪が残っているところがあり,岩場のトラバースとなるところがある.
歩きにくいどころか,滑りそうで,危険が危なくデンジャラスである.
左足の靴がまだソールが付いているので何とか歩けるが,両方剥げたら,とても下れそうにない.
回れ右である.
せっかくT隊員が参加してくれたが,無念にも今回の保全作業はここで終了である.
担ぎ上げたヤシネットは何の役にも立たず,結局担ぎ下すこととなる.
【清太岩山への登り】
【竜門小屋から寒江山】
【竜門山】
【相模山方面に夕日】
小屋に戻り,小屋の管理人さんのアドバイスに従い,テーピングテープで靴底を補修する.
私の靴は,踵とつま先の部分が分かれているので,右足はかかと部分だけが脱落している.
左足の靴も剥げてしまうと大変まずいので,両足の靴をテーピングテープで補修する.
【テーピングで補修】
【右足】
【左足】
翌日,気を付けながら歩き出す.
歩き出してほどなくテープの巻き方が悪く,右足のソールが少しずつずれだす.
1時間ほど歩いた清太岩山のところで,T隊員からロープで巻いてもらう.
その後,途中で一回巻き直しをする.
標高1,000mの水場の下で,左足の踵も脱落する.
両足の踵がないと,想像以上に歩きにくくなる.
どうしても滑るのである.
慎重にゆっくりと下って,車に戻ってふと足元を見ると,ちょうどロープが切れていた.
【小屋近くのハクサンイチゲ】
【寒江山】
【大旭岳,中岳,西朝日岳】
教訓!
靴は早めに更新しよう!
補修にはテーピングテープと針金があるといい.
特にテーピングテープは,うまく使えばずれを防いで有効である.
もしものために一回ソールを剥がして補修の練習をしておこう!
愚者は経験から学び(私のことです.)
賢者は歴史から学ぶ.