竜門山(朝日連峰合同保全作業途中敗退)

個人山行

【日時】201792(土)〜3日(日)

【メンバー】藪スキー突撃隊MT

【天候】 晴れ/山の上は曇り

【山域】 朝日連峰

【地形図】 朝日岳

【実録時間】

2日(土)日暮沢小屋(標高620m07:12 −  竜門山(標高1688m12:04    竜門小屋(標高1575m12:17 <小屋泊>

3日(日)竜門小屋07:06   日暮沢小屋10:33


2014年のオツボ峰下部の合同保全作業以来の突撃である.

突撃はしたが,途中敗退である.

本山行記録は失敗レポートである.

 

失敗の前触れは突撃一週間前にあった.

オツボ峰から久しく登山靴を履いていない.

登山靴は古くなるとソールが剥げることは知っている.

一週間前に確認した.

妻の靴も確認した.

妻の靴を先に確認した.

絵に描いたようにポリウレタン部分がボロボロになっていて,靴を持ち上げるとソールは重力に従って靴からだらしなくぶら下がった.

気を付けないといけないな,と思った.

自分の靴は,硬質の樹脂に直接ビブラムソールが接着されている.

ポリウレタンは使われていないように見える.

妻の靴を見て,ポリウレタンはやっぱり気を付けないといけないな,と思う.

思ったが,自分のはポリウレタンではないし大丈夫だなと,思う.

思ったが,それはただの思い込みであった.

 

今回は藪スキー隊のT隊員が同行してくれる.

朝の7時に日暮沢小屋に集合し,参加者全員でヤシネットなどの資材を手分けして担ぎ,いつの間にか我々は先頭グループに付いて歩く.

我々は3班で,狐穴小屋に向かう.

今回の作業現場は,狐穴小屋の以東岳側らしい.

以前参加した三方境付近のその後を見るのが楽しみだ.

 

途中3回ほど休憩してユウフン山からわずかに下り,竜門山に登ろうかというときに,後ろを歩いていたT隊員から声を掛けられる.

その手にはなにか見てはいけないようなものが握られている.

それは,右足の靴の踵部分であった.

 

竜門山までの登りは特に問題なかった.

小屋までの下りでも多少歩きにくいな,という程度で,まだまだこの時点では,現実の恐ろしさに気づいていなかった.

 

小屋で昼飯を食べ,1時過ぎに狐穴小屋に向かう支度をしていると,あれれ,踵だけでなくつま先のソールも剥がれて落ちそうになっている.

邪魔なので,剥がしてしまうと靴の裏は,硬質プラスチックの板状のソールとなる.

まあ,何とかなるかなと歩き始めると,ずいぶん歩きにくい.

小屋から500mほど歩くとまだ下に残雪が残っているところがあり,岩場のトラバースとなるところがある.

歩きにくいどころか,滑りそうで,危険が危なくデンジャラスである.

左足の靴がまだソールが付いているので何とか歩けるが,両方剥げたら,とても下れそうにない.

 

回れ右である.

せっかくT隊員が参加してくれたが,無念にも今回の保全作業はここで終了である.

担ぎ上げたヤシネットは何の役にも立たず,結局担ぎ下すこととなる.


【清太岩山への登り】




【竜門小屋から寒江山】

【竜門山】


【相模山方面に夕日】


小屋に戻り,小屋の管理人さんのアドバイスに従い,テーピングテープで靴底を補修する.

私の靴は,踵とつま先の部分が分かれているので,右足はかかと部分だけが脱落している.

左足の靴も剥げてしまうと大変まずいので,両足の靴をテーピングテープで補修する.

 


【テーピングで補修】


【右足】


【左足】


翌日,気を付けながら歩き出す.

歩き出してほどなくテープの巻き方が悪く,右足のソールが少しずつずれだす.

 

1時間ほど歩いた清太岩山のところで,T隊員からロープで巻いてもらう.

その後,途中で一回巻き直しをする.

 

標高1,000mの水場の下で,左足の踵も脱落する.

両足の踵がないと,想像以上に歩きにくくなる.

どうしても滑るのである.

 

慎重にゆっくりと下って,車に戻ってふと足元を見ると,ちょうどロープが切れていた.

 

【小屋近くのハクサンイチゲ】


【寒江山】


【大旭岳,中岳,西朝日岳】


教訓!

靴は早めに更新しよう!

補修にはテーピングテープと針金があるといい.

特にテーピングテープは,うまく使えばずれを防いで有効である.

もしものために一回ソールを剥がして補修の練習をしておこう!

 

愚者は経験から学び(私のことです.)

賢者は歴史から学ぶ.