個人山行 山スキー突撃隊
【日時】2018年3月17日(土)
【メンバー】M&Y(悠峰山スキー突撃隊)
【天候】 晴れ
【山域】 信越
【地形図】 苗場山
【実録時間】 ニュー・グリーンピア津南ゲレンデトップ(標高965m)9:12 − 畑の終わり(標高1085m)9:51 − 下ノ代(1339m標高点) 11:11 − 中ノ代(1512m標高点付近) 11:52 − 上ノ代(1575m付近) 12:12 − 山頂1777m
12:49 <給食の時間> 13:48 − 上ノ代(1575m付近) 13:55 − 中ノ代(1512m標高点付近) 14:02 − 下ノ代(1339m標高点) 14:17 − 畑の終わり 14:38 − ニュー・グリーンピア津南ゲレンデ(標高920m付近) 14:51 − ニュー・グリーンピア津南ゲレンデ最下部 14:57 − ニュー・グリーンピア津南駐車場(標高655m)15:03
日曜日は温井に前夜泊で鍋倉山に突撃である.
せっかくなので,天気もいいようだし急きょ隊長を誘って小松原湿原,あわよくば黒倉山に突撃である.
これは,翌日の鍋倉山に備えて足慣らしである.
我々の年金で造られたグリーンピア津南の再出発ニュー・グリーンピア津南のゲレンデトップから小松原湿原の最奥にたたずむ黒倉山に足慣らしである.
標高差は800m程度だが,等高線は大きく広がりずいぶんと傾斜が緩いことが分かる.
傾斜が緩いということは年寄りには優しいということでもある.
突撃である.
久しぶりのクワッドリフトに乗り,スキー場のトップから歩き出す.
ほぼ営業開始と同時にリフトに乗ったが,すでに9時を過ぎている.
初めは,標高差で10mほどを滑り降りる.
続いて畑と思われる白い平原を黙々と歩く.
それだけだと簡単なようだが,畑は大きな段々畑となっていてうまくルート取りをしないと無駄スキーを踏むこととなる.
ところどころに小屋代わりにしているらしい廃車が置いてあり,それをつないでいくといいようだ.
まず,この平原歩きが長い!
うすうす気づいてはいたが,傾斜が緩いということは,水平方向に長いということでもある.
歩いてみると,決して年寄りに優しいわけではないようだ.
むしろ厳しいとさえ言える.
40分も歩いただろうかようやく畑の終わりが見えたところで,わずかに下る.
どうしようか迷ったが,ここでシールを貼り付ける.
ようやくここから山登りが始まる.
ようやくここからブナ林が始まる.
なんと,これが山頂近くまでどこまでも続く.
【畑の終わり】
傾斜が緩いため本日歩く標高差の中にブナ帯が入っていて,結果としてブナ林がずっと続くのである.
締まった雪におそらく昨夜降った雪が5p少々積もっている.
ブナの枝には霧氷ができていて綺麗だ.
【ブナ林:標高1080m付近】
ほほ夏道沿いにゆるゆると登っていく.
登っていくというよりは,ひたすら前に進むといった気分である.
雪によっては帰りも自らの意志で前に進まねばなるまい.
今のところ雪は腐っていない.
【ブナ林:標高1100m付近】
予報では,天気は良いはずであったが,ガスっぽい.
雪は腐らないでありがたいが,青空のつもりで来たのに少々残念だ.
残念だが,これはこれでまた良いものである.
【ブナ林:標高1220m付近】
それでも次第にガスは晴れ,青空も少しずつ見えてくる.
ルートも尾根なりにはっきりしてくる.
ただし,似たような尾根は左右にあるので,初めてでの下りは相当難しいだろう.
【初めて黒倉山山頂がかすかに見える.(右端)標高1300m付近】
視界も次第に開け,標高1300m付近で目指す黒倉山ピークがかすかに確認できる.
まだまだ遠い.
まだまだ遠いが,広がり始めた青空にブナの霧氷で癒される.
【日が差し始める.標高1330m付近】
【雪の状態】
ようやく小松原湿原の下ノ代に出る.
下ノ代はそれほどの平原ではない.
この先,なぜか平坦地のふちにはすっきりとした樹形のオオシラビソがあって,視界が遮られる.
その隙間に黒倉山ピークが見える.
【下ノ代】
【下ノ代から黒倉山(中央)】
【下ノ代から中ノ代へ】
標高差で200mほど,再びブナの林を登り詰めると中ノ代に出る.
下ノ代,中ノ代,上ノ代と順に湿原をつないでいくが,その途中の傾斜地にはブナ林がずっと広がっている.
中ノ代には下ノ代よりずっと広い白い平原が広がっている.
ようやく近づいた.
ようやく終わり目が見えてきた.
中ノ代から上ノ代は近い.
標高差で50mほどだ.
【中ノ代(三ノ山(日蔭山):左奥,黒倉山:手前)】
電池も切れかけたころ,ようやく上ノ代である.
三ノ山から黒倉山が並んで白い平原に映える.
下ノ代,中の代と順に歩いてきたが,上ノ代が一番開けているようだ.
ここの水平移動が終われば,いよいよ黒倉山への最後の登りである.
日が差して暑いくらいだが,ダイヤモンドダストっぽく凍った水蒸気がかすかにキラキラしている.
【上ノ代】
黒倉山に近づくと,傾斜地にもブナに混じって立派なオオシラビソが次第に優勢となってくる.
ここは,西側に伸びる尾根に一旦出てから,その尾根通しに山頂に至るのが楽そうであるが,今日は直登である.
年寄りには時間がないので,せっかちなのである.
時間もないが体力もないのを忘れている.
【標高1590m付近】
直登のため,地形図のとおり頂上が近づくにつれ傾斜が増してくる.
傾斜も増すが,雪面のガリガリ度合いも増してくる.
いくらか新しい雪が載っているので何とかなるが,いささか苦労する.
直登できる角度ではないし,失敗すると止まれそうもない感じがいやらしい.
年寄りはガリガリを好まないが,すでに3時間以上歩いている.
すでに電池が切れている.
隊長の後を追い,息も絶え絶えようやく山頂に立つ,
【山頂から苗場山北面,写真左側は神楽峰】
山頂に立つと普段見ることのない景観が広がっている.
苗場山北面が迫ってくる.
あそこを登って滑る人達がいる.
年寄りは当然パスである.
危険で危なそうである.
【妙高山と火打山(写真右奥),左奥の白い山は朝日岳】
【右奥には杓子岳と白馬岳】
【三角屋根の小松原小屋が下に見える.】
妙高山や火打山も見えている.
遠くには白馬岳などの北アルプスもかすかに望める.
明日登る鍋倉山も見えている.
どうやら,ここよりも低いようだ.
この日差しなのに帰る頃になっても上の方では雪はそれほど腐っておらず,それなりに滑る.
湿原と湿原の間のブナ林の斜面は固くしまった雪面に粉っぽい雪が載っていて思いのほか快適な滑りが楽しめる.
それでも傾斜が緩かったり,ほとんど傾斜がなかったりするために何度となく歩くことになる.
本コースで急斜面と呼べるところは全くない.
急斜面は全くないが,軽い登り返しは幾度となくある.
それは地形図から当然分かっていることでもある.
さすがに標高で1100mくらいから雪が腐り始めてくる.
せめてもの救いは,ザラメ雪っぽくなった畑の平坦地が何とか滑り,そのまま登り返すことなくスキー場のゲレンデに出ることができたことであろうか.
一人ではおそらく畑のところでやめていただろう.
なんとかながらく温めていた小松原湿原は黒倉山に立つことができた.
感動の景観を楽しめた.
緩い斜面も滑りはそれなりに楽しめた.
これも隊長のおかげである.
なお,皆さんお気づきのように鍋倉山への足慣らしには黒倉山は少々きついようだ.
少々どころか大変きつい!
明日は鍋倉山に登る体力が残っているのであろうか.