個人山行
【日時】2018年4月28日・29日
【メンバー】悠峰山スキー突撃隊(隊長,T,M),N潟山岳会(N,Y),ゲストT
【天候】 快晴
【山域】 月山
【地形図】 湯殿山,月山
【実録時間】 月山リフト終点(標高1510m)11:33 − 月山山頂(標高1980m)13:55 − 清川行人小屋(標高1365m)15:17(泊) − 清川行人小屋7:05 − 月山山頂8:57 − 志津(標高705m)12:27
人生に煩悩はつきものだ.
楽して山に登る術はないのだろうか.
楽して白い粉にまみれる術はないのだろうか.
はたして年金で生活していけるのだろうか.
煩悩は尽きない.
人生には修業が必要である.
修業には修験の山,月山である.
数々の煩悩を抱え,N潟山岳会のメンバー5名(2名は日帰り)と合同突撃である.
志津発10:30の乗り合いバス(500円)に乗り,姥沢に向かう.
姥沢から,今シーズン初営業のリフト(580円+コーヒー券付き)に乗り,歩き始めるころにはもう昼近くである.
いつものように夏道沿いにゆるゆるとトラバースしながら歩く.
春のザラメ雪に新しい白い雪が大きな風紋状になって載っている.
白い雪面に青い空が広がる.
春だ.
【歩き始めの姥ケ岳東側斜面】
【中央の雪面を登る.】
牛首で昼飯の予定であったが,腹も減ったしその手前でお昼とする.
鍛冶小屋跡へ至る斜面は,今までで一番雪が少ないようだ.
牛首からも登りやすい雪で,ジグを切ることなくほぼ直登で登る.
標高1840m付近で早くも夏道に出る.
いつもよりもだいぶ下である.
ここから標高差で一旦50mくらいを手にスキーを持って夏道を登る.
再び雪面が出てくるので,板を履いて鍛冶小屋跡までスキーで登る.
雪面はツボ足の跡だらけである.
鍛冶小屋跡のところで,ザックにスキーを付けて山頂まで夏道を登る.
【山頂(三角点はこの奥)】
【大雪城1】
【大雪城2】
【大雪城3】
まずは大雪城に向けて滑る.
標高1750m付近まではフィルムクラストのフラットな斜面で,どこでも修業のし(滑り)放題である,
清川行人小屋へは,大きく二つの修業の道がある.
地形図で標高1700mから1600m付近までに付けられたがけ記号東側の大きな谷状の斜面を行く修業(ルート)と1628m標高点を経由していく修業(ルート)だ.
これは,後者の修業がずっと厳しい(楽しい).
1628m標高点下の急斜面がたまらない.
今年は雪が少ないので雪の付きが少々心配ではあったが,スキーは自然と1628m標高点に向かう.
ザラメ雪に真っ白な新しい雪がナミブ砂漠の砂丘列のように並んでいる.
過去の経験からその部分はストップ雪と思い,前転しないように注意して滑り込むと,ストップ雪どころか,凍った雪の塊で,連続ジャンプ台となっている.
それを縫うように滑るのが,厳しい修業だ(また楽しい).
1628m標高点を過ぎると,小屋が見えてくる.
理性ははるか銀河系の彼方である.
ノートラックの急斜面に滑り込む.
たまりませーーーーん!
今年はシュルントもできておらず.気が付けば一滑りで小屋前に到着である.
【小屋前の斜面】
ここで,先行者のトレースを発見する.
先行者は谷コースから来たようだ.
【清川行人小屋:3D】
小屋には4名の先行者と一緒だ.
信仰(親交)を深めつつ,静かに深く修業にいそしむ合同修業隊10名である.
修業を極め,夜半には絶叫の業に励む者さえいる.
合掌.
【清川行人小屋】
翌日は,谷コース経由で山頂に登り返す.
それぞれが修業の成果を生かし,登り返す.
【谷ルート】
広大な斜面を登り返す.
なかなか登り返せない.
てっぺんが見えない.
たまに見えるのはハイマツの列と露岩だけ.
変化がない.
飽きてくる.
修業が足りない!
【谷ルートを登る.】
ハイマツの上に岩の列が見えると山頂が近い.
風が強いことも山頂が近いことを教えてくれる.
山頂は昨日よりも風が強い.
【山頂平地】
山頂平地に雪はついていない.
標高1840mまで板を担いでツボ足で下る.
続々と登る人と行き会う.
【標高1840m付近】
雪が固いとスキーを履くにも緊張するが,今日は雪も緩んで問題ない.
とりあえずスキー場下まで滑る.
雪は完全に腐っている.
腐っているが,ところどころ残っていている新しい雪がストップ雪である.
なんとか前転をしないように滑る.
【牛首下部】
スキー場の西側を延々とトラバースし,雪庇がなくなるところでスキー場レストハウスに戻る.
姥沢の駐車場の脇を登り返して,志津までのスキーコースを滑り降りる.
道路と五色沼が見えると志津である.
【スキー終了地点】
4年ぶりの月山であった.
4年ぶりの修業であった.
いつもより雪は少なかったが,何も変わらない山があった.
いつもより大勢の仲間と修業ができた.
果たして煩悩は減ったのであろうか.
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