西海谷山稜(駒ヶ岳~鬼ヶ面山~鋸岳)
会山行sue
【日 時】 2018年10月28日
【天 候】 曇り
【山 域】 頸城
【メンバー】 6名
【時間記録】 大神堂登山口7:35 – 駒ヶ岳9:50~10:05 – 駒ケ岳東峰10:30 – 鬼ヶ面南峰12:00 – (休)12:20~12:40 - 海谷渓谷分岐13:00 – 鋸岳14:00~14:30 - 雨飾山分岐15:15 – 鋸岳登山口 16:30
海谷の紅葉は10月下旬が見頃となる。日がだんだん短くなり日本海側は天候が怪しくなるが行くならこの時期が一番だ。当日は晴天を期待できそうになかったけれど予定どおり出発する。
駒ヶ岳の大神堂からのルートは、正面に大岩壁が立ちはだかりとても登れそうに見えない。しかし、岩壁まで行ってみると斜上する幅広いバンド上に登山道がつけられていて転落の心配もなく簡単に歩ける。
《バンドまでは紅葉の中、急な尾根を登る》
《駒ヶ岳南西壁 スケールが大きすぎてカメラに収まらない》
《幅広いバンド上を行く》
《だんだん傾斜がきつくなってくる》
頭上の大岩壁と足下に広がる錦絵のような紅葉の眺めを楽しみつつ、途中洞窟のような所や「すくみのテラス」という展望台を通って登りつめると駒ヶ岳の山頂台地に出る。
《斜上バンドの最後は半分洞窟のようなところとなる》
台地上のブナ林の中をしばらく行くと駒ヶ岳山頂(1487m)に着く。木々は葉を落としていて、展望は良好だ。山頂には松本からの4名パーティーが先に来ていて、悠峰と同じコースを行くとのことだった。
《駒ヶ岳山頂から鬼ヶ面山 遠景は左が火打方面と焼山、右が金山》
さて、ここまではウォーミングアップ、駒ヶ岳から先が西海谷山稜の本番だ。
山頂からはまずかん木をつかみながら急斜面を下って、駒ケ岳東峰(1498m)に登り返す。東峰からは鬼ヶ面山とのコルまで標高差100mほどを一気に下る。その間はロープ、鎖が連続する。特に最後の部分は傾斜がきついうえ足元が見えにくく緊張するところだ。
《東峰からの岩稜の下りもここまで降りるとひと安心》
《わかりにくいが、写真中央をほぼ真っすぐに激下り》
コルから鬼ヶ面山への登りも何カ所もロープが出てくる。駒ヶ岳山頂からは鬼ヶ面山がすぐ目の前に見えたが2時間近くもかかった。
登山道は標高点のある鬼ヶ面山北峰(1591m)は西側を巻いている。ヤブを漕いでピークまで行く人もいるようだ。
《ルートは北峰を巻いている》
南峰(GPSで1568m)頂上へは縦走路からわずかに離れる。南峰への登りで鋸岳方面から来た11名パーティーと松本パーティーと悠峰パーティーの計21名が一緒になってしまった。普段は登山者の少ないルートなので渋滞で待たされるとは思わなかった。
《一時縦走路を離れ、鋸岳を背に鬼ヶ面山南峰へ
遠景は左から鉢山、昼闇山、焼山、雲の中の金山》
南峰山頂からの展望は良いけれどとても狭い。ゆっくりできないので登りでかなり待たされたが、早々に下山する。
鬼ヶ面山の急斜面を下りきるとしばらくは普通の道が続く。道の真ん中で昼食休憩とするが、まだ先は長いのでビールはおあずけとする。
《眼下は紅葉が沢を埋める》
海谷渓谷への分岐を過ぎるといよいよ鋸岳(1631m)への登りだ。また鎖やロープの連続する道となる。
《鋸岳への稜線はまさにノコギリ》
最初は稜線を西側から巻いて高度感のある長いハシゴを登る。頼りなさそうなハシゴだが、これを使わないと先に行けない。
《よくぞここにハシゴを取り付けた!
はるか下には雨飾山荘の赤い屋根も見え高度感抜群》
ハシゴを登り稜線に出た後はノコギリの歯を一つ一つ越えて行く。稜線上は泥壁のような所もあって滑りそうだ。いつ取り付けられたのかわからないような古いロープでも頼らざるを得ない。
《ハシゴを過ぎても悪場は続く》
鋸岳は近くなっているはずなのだが、お昼の休憩のころからガスが出てきて鋸岳の山頂は見えなくなっていた。
まだかまだかと思いつつ鋸の歯をいくつも越えて、最後に50mほどの急斜面を登りきると下山ルートとの分岐に出た。山頂は目の前だ。
《小さなアップダウンを繰り返す》
《鋸岳山頂は目前》
展望抜群の鋸岳なのだが、すっかりガスに囲まれてしまっていた。頂上は狭いけれど6人で腰を下ろすにはちょうど良い広さだった。
まだ、一カ所下りの難所を残しているが、先も見えてきたので、ようやくビールを開ける。ガスってしまったが、風もなく寒くもなく心地よい山頂だった。
下山路は鎖とロープのある長く急な岩稜から始まる。岩質がボロボロなので落石にも注意しなければならない。
《ロープと鎖のある脆い岩稜を下る 右は鋸岳山頂》
岩稜を過ぎると平凡な尾根道となって稜線鞍部に着く。ここは雨飾山への分岐で山頂まで3時間と書いてある。ここまで来てさらに雨飾山まで行く人は相当の達人だろう。
分岐からはブナ林の中をトラバース気味に下って行く。落ち葉の積もった泥道は滑りやすい。道は沢を2本渡り、なおも岩のゴロゴロした所を横切っていてなかなか高度を下げてくれない。行く手の尾根を巻くとようやく下り坂になった。
ゴールに近づくと紅葉真っ盛りの素晴らしいブナ林が出迎えてくれた。悪路難路続きだったがフィナーレは黄金色に包まれた。
《金色のブナ林を下る》
さらにおまけ。ガスが切れて雲間から差し込む光が対岸の岩壁と色づいた木々を照らした。秋の海谷ならではの光景だった。
《対岸の山腹に日が差した》
《鋸岳(右端)と歩いてきた稜線》