八甲田山,酸ヶ湯は燃えているか(山スキー,テレマーク)
個人山行(山スキー・なんちゃってテレマーク)
【日時】2019年2月8日(金)
【メンバー】M,N潟山岳会:N,Y,,D,S,ゲストK
【天候】 風雪
【山域】 八甲田
【地形図】 酸ヶ湯
【実録時間】 酸ヶ湯(標高880m)09:56 − 標高1050m付近 11:34 <昼の憩い> 13:04 − 取り付き13:48
今季最強の寒気が入った.
東北道も通行止めだ.
八甲田ロープウェイ,スキー場は当然クローズである.
こんな日は,ガイドツアーも当然中止である.
こんな日に突撃してよいのだろうか.
八甲田,死の彷徨が頭をよぎる.
よぎるが,我々はラッセルをしなければならない.
越後餅雪に鍛えられたラッセル力を八甲田の地に記す使命がある.
2日前には雨が降ったらしい.
雪崩には気を付けねばならない.
おとなしく酸ヶ湯から小岳方面を目指す.
まずは八甲田ホテルに至る道路を酸ヶ湯からシールで歩く.
その道路の段階で,すでにラッセルっぽい.
予定の登り口を探すが,除雪の壁がそそり立っている.
それでも,何とか上がれそうなところを見つける.
Y隊員のルート工作により取り付きになんとか這い上がる.
【取り付き】
上がったが潜る.
スキーを履いていないと膝近くまで潜る.
やっとこさスキーを付ける.
風も吹いている.
今シーズン最強の寒気である.
こんな時に山に入っていいのだろうか.
いいことにしよう.
当然先頭は,N潟山岳会精鋭約2名がラッセルする.
当然最後尾を行く.
楽々である.
このまま,小岳に行こう!
【ラッセル】
先頭は相当潜っている.
最後尾のトレースで膝あたりの深さだ.
しばらく格闘すると(先頭の二人),スキールートの標識11を発見する.
そのまま,ルートどおりに進む.
進むが,それほど角度がない.
猛烈な風が吹いている.
睫毛に付いた雪が凍る.
今シーズン最強の寒波だ.
【ラッセル】
登っているうちに気が付いたことがある.
この角度と雪の深さでは,スキーは滑らない.
滑らないが行くしかない.
恐ろしいことにいつの間にか先頭の次に歩いている.
【先頭ラッセル】
そのまま,気づかないことにしていこうと思ったが,悲しくも交代の順番となる.
潜る.
潜るぞ!
ただの斜面で腿まで潜る.
ストックも抵抗なく潜る.
風でできたツリーホールをなるべく避けたいが,思い通りのルート取りが難しい.
激ラッセルである.
雪が軽すぎて潜る!
どのくらい登ったろうか,標高差でどのくらい登ったのだろうか.
200mも登ったのだろうか.
先頭に立つと,年のせいかこの辺でやめていいのではないかと思う.
もうここでやめるべきだとも思う.
ここで,S隊員と素早く交代する.
交代したとたん,もう少し行けるのではないかとも思う.
風が吹いている.
白い粉が舞う.
睫毛が凍る.
この日のために,八甲田のために発熱レンズの金輪際曇らないと評判のゴーグルを約2名が着装している.
ただ,約1名は買ったばかりで,発熱用の電池を充電していない.
充電していない熱線ゴーグルはどうやらただのゴーグルらしい.
やっぱり曇るようだ.
我々は深く反省しなければならない.
熱線ゴーグルを使うときは充電しておこう!
【ゴーグルも曇る.】
そのうちに,大きな沢を横断するところに至る.
そこで,先頭を激ラッセルするS隊員のシールが外れる.
素晴らしい!
限界である.
我々には限界がある.
それをいいことにして,本日の山頂が決まった.
風雪厳しい.
激しく雪が舞う中,早速N潟山岳会テントフライを設営する.
昼の憩いである.
今シーズン最強の寒波である.
それでも,当然缶ビールを開ける.
昼の憩い事業を無事敢行し,いよいよ下山だ.
潜る雪の中でスキーをセットしいよいよ滑り出す.
滑り出すが,1mも滑らないうちにビンディングが外れる.
アウトローX問題があるぞ!
【トレースを外しては滑られない.】
うすうす気づいていたが,トレースを外して滑ることはできない.
それでも,ところどころに現れる厳しい登り返しを何とかやり過ごして滑っていく.
滑っていくが,とうとう風雪でトレースが消えている.
仕方なく,ノートレースを滑ろうとしたが当然滑らない.
滑らないどころかラッセルである.
激ラッセルである.
下りも激ラッセルである!
【ルート標識bW】
交代でラッセルを繰り返すうちにようやくルート標識bWを発見する.
ほどなく登りトレースに合流する.
合流したとたんに取り付きの道路にたどり着く.
やれやれである.
【雪に煙る取り付き】
今回は風雪の激ラッセルであった.
雪煙の旅である.
もうもうと煙る白い雪煙の旅である.
前が見えない雪煙である!
白い粉にまみれている.
しかし,これはここだけの秘密の機密情報であるが,風雪厳しい中,このミッションで最も煙ったのは酸ヶ湯自炊棟6号館1階炊事場のごま油,謹製雪塩仕上げの鳥唐揚げのもうもう煙である.
自炊棟炊事場に現れたもうもう煙である.
廊下の先が煙って見えない.
これは火事か!
酸ヶ湯は燃えているか!
次の日もごま油のいい香りがしていたぞ!
我々は再び深く反省しなければならない.
ぼうっと生きてるんじゃないぞ!
チコちゃんにD隊員がN隊長に代わって怒られる.
怒る人がいるかと思えば,いぶりがっこをくれるおばあちゃんもいる.
ありがたい!
しかし,その唐揚げは煙も染みて絶品であった.
秋田川反〇〇居酒屋の比内地鶏を揚げた人に食べさせてやりたい.
当店のおすすめ料理「いぶりがっこ盛り合わせ」を我々に提供した人には,おばあちゃんのいぶりがっこを食べさせてやりたい!
翌日,南八甲田の横岳に登ろうと計画していたが,今シーズン最強の寒気のために城ヶ倉大橋のところが12:00まで通行止めとなった.
横岳の取り付きは,城ヶ倉大橋を渡った先である.
最終日,横岳はあきらめ,やむなく青空の元,酸ヶ湯温泉裏山の湯坂を登る.
ノートラックをいくつかいただいて,八甲田突撃作戦をめでたく締めた隊員約6名である.
【酸ヶ湯温泉と湯坂】